松の緑
皆様明けましておめでとうございます。
それぞれのお正月をお過ごしになったことと思います。毎年の年越し準備に加え,何かと余裕なく過ごした年末年始でした。依頼者の方々のご家庭内の様子,年明けから取り組まれる問題等,どのように過ごされているかとお顔が浮かぶことも多かったですが,本年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
昨年末に歌川国芳展に行き,年始は新春文楽「仮名手本忠臣蔵」を観てきました。今年は大河ドラマも江戸時代を舞台に浮世絵やエンターテインメントを扱ったもので,ジャポニズム再発見の勢いが止まらないない年になると感じています。
私も昨年初めに三味線を購入して長唄三味線のお稽古を始めたのですが,そのせいか邦楽がとても耳に入るようになり,心地よさに驚いています。
最初は三下がりで黒髪などをお稽古してきましたが,今年は初めて本調子で松の緑に挑戦しています。
黒髪は舞妓さんが本格的に芸妓さんになる襟替えの時に舞う曲とのことで,哀愁を帯びた音をしっとりとゆっくりと弾くのが難しかったですが,松の緑は年初や開店のお祝いの際に弾く曲とのことで,なるほど明るく景気よく,まさに和風ファンファーレだなあと思いながら弾いています。
和音階と洋音階との違いですが,師匠(正確には師匠の師匠であるお父様)によれば,戦後オルガンがすべての小学校の教室に入って来たことにより和音階が我々の生活から失われていったとのことです。
それでも呼び覚ませば蘇る根底に眠る感覚を求めて,自分なりのジャポニズム発見の旅を続けたいと思います。
「我々はどこから来たのか,我々は何者か,我々はどこへ行くのか?」
さあ,2025年の年明けです。智恵と嗅覚とひらめきで,皆様とともに,工夫しつつ難題を乗り切っていきたいと思っています。